SSブログ

書評 「ドル亡き後の世界」 [中小企業診断士の仕事]

遅ればせながら、副島隆彦氏の著作を始めて読んでみた。

ご存じの方が多いと思うが、かのリーマンショックや、2008年のドル暴落、1ドル80円台などを

的中させたことで有名。その他にもオバマ大統領の誕生をかなり早い時点から予測公言していたという。

2009年11月初版の「ドル亡き後の世界」 

ドル亡き後の世界


昨年末にある人に勧められて、しばらく手つかずだったものの、200ページちょっとで

文体も平易で、読み始めると一気に読める。

実はその「文体」に少々驚き、最初はちょっとしたアレルギーを感じた。

断定口調と他者罵倒が非常に多いのである。ご自身の知識と見通し、判断に相当自信があり

断定が多いのだが、その根拠が丁寧に書かれていないのである。なので、金融知識や

経験がなく、著者が批判する日本の新聞などのメディアからの情報を主にしている私には、

鵜呑みにするのか、いかがわしいと判断するかになってしまう。

しかし、読み進めるうちに、普通のビジネス書にはない視点がたくさんあり、

頭の中に留め置きたいことがいくつか。

・リーマンショックで爆発し、大きな損失を出した米国経済を救うため、借金を返す気のない
 米国政府は2010年にもデノミを行い、対外債務を1/10にする。つまり1ドル10円時代になる

・日米政府による振り込め詐欺

・中川昭一財務大臣(当時)のもうろう会見は、氏の失脚を狙う米国政府によって仕組まれたもの

文体が断言調であり、フリーメーソンの陰謀暴露本的な印象もあたえるということもあるので

読み終わった後でも違和感はある。しかしながら、そういう視点もあると知っておくにはとても役立つ。


但し、民主党および民主党新政権に対して、清廉潔白な人達の政党という高評価と、

汚れた自民党と官僚による利権の制度を大胆に改革してくれるだろうという大きな期待は

現時点で大きく外れてしまったのかもしれない。その点は、私を含めた多くの人達と同じと言うことか。


改めて副島隆彦氏について、wikiやその他書評などを検索して調べてみた。左翼系思想から

始まった方のようだが、現在は特定のイデオロギーに偏らず、現実主義で大局的に見られる方のよう。


この手の本は、読むタイミングが重要で、ロングセラーになったりするようなものではない。

著者も、10月初めに本気で書き始め、10月末には刊行されたと書いている。一気に書いただけあり

一気に読める程度の内容ともいえる。

図書館などで借りて読まれることをオススメします。
コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。